走りながら考える〜ぐちやまはどこへ向かう〜

サブスリーランナーのぐちやまです。マラソンは瞑想です。人生は迷走しているかも?不惑四十を過ぎても惑い続ける男がここにいます。マラソントレーニングや億り人を目指す投資、結願まで頑張りたいお遍路、激務で休職してからの人生大転換…いろいろあるんだ、ちょっと僕の話を聞いてくれよ

第5日 46.3km 累計244.1km

10月30日更新:写真を解像度の高いものに変更。はてなブログ、なかなか使いこなせない。慣れが必要です。

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遅ればせながら、第5日をアップします。

今日は歩きと決めて出発。室戸岬を目指す。
結果的になんとか24番最御崎寺と25番津照寺を打ち終えた。

雨の中、高知県東洋町生見のサファーイケメンおじさんの民宿いくみを6:40に出発。

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例のごとく雨が降っている。36km先の室戸岬最御崎寺を目指す。前日60kmオーバーで足を使いきり、この日から潔く歩きに切り替える。歩きなら、どこまでも歩けるよな、と思う。しかし、現実は甘くない。
でも最初は11分/kmペースでスタスタ歩く。一晩寝たおかげで、歩くには問題ない感じ。

佐喜浜という漁師町で、巨大な網を広げて修理していた。あとで知ったが、沖縄の台風の影響で海が荒れているようで、漁に出られない。次の漁師町も同様に修理中。サッカーグラウンドか!というくらいでっかい網に驚いた。

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佐喜浜では、僕の手作り菅笠(カツヲさんヘッドパラソルに遍路菅笠と同じ文字を書いたもの)を見て、「あら、ハイカラな傘だわー」とおばあちゃんが言ってくれた。その前の日もお坊さんに言われたし、とてもウケが良くて嬉しい。

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この室戸まで続く海岸線には北東の方向から強い風が吹き付け、波が岩場でくだけ飛沫をあげている。小さな町が点在しているが、中には強い海風から家を守る防風林を備えているところもある。

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まるで沖縄の離島のような、石垣で囲われた屋根の低い家もあった。先人が厳しい気象条件から生活を守ろうとしていたことが伺える。

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海抜が5mほどのところに人々が住んでいる。東日本大震災の教訓で、写真のような津波からの避難タワーを見かけた。

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他にも避難経路や津波による冠水地域を示す標識が至る所にある。気づいたのは、それらがとても新しく、ここ数年で設置されたことが明らかなことである。東日本の大惨事を教訓に設置されたのは明らかだ。それまでは、おそらく、人々の津波に対する意識も、過去あったかもしれない津波の被害を伝承する人がいない中、薄れていたのだろう。多くの犠牲があって、今の姿がある。


いろいろ思いを馳せながら走っていたが、徐々に足裏が痛くなってきて、順調な歩きが苦痛になってくる。20kmを過ぎると、一歩一歩が激痛に。その頃は雨が止み、陽がさしてきて、見えなかった室戸岬の先端が少しずつ姿を現していた。しかし、もうそれを見つめる余裕もなくなっている。相変わらずはるか遠くに見える。

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そして30kmを過ぎたころには歩くことすら苦痛。足を接地させたくない。足裏が腫れているようだ。まめができたのか?原因は不明。最御崎寺の下についたときには、立っているのがやっと。このまま歩くこともできなくなるのかという絶望感。ここで300mの高さを登らなくては、札所にはたどり着けない。

必死で登り、最御崎寺の本堂に到着。

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もう、6kmほど先の津照寺に行ける気もしない。お遍路センターのソファーで座り込む。靴下を脱ぐと、足裏の土踏まずより前のほうが真っ白にふやけて腫れている。指で触ると痛い。マッサージしたいが、触ると痛いのでできない。ここでふと思ったが、このヒリヒリ痛い範囲は、靴下の滑り止めのパターンのあるところと一致しているような気がした。念のため、滑り止めなし靴下に変えた。(実はこれが功を奏し、翌日なんとかなった。滑り止めのゴムのような素材でできたパターンが、足裏の皮膚に余計な刺激を与えていたようだ)


次に辛うじてたどり着いた津照寺では出会ったオランダ人に宿を取ってあげた。

その後、近場の店で室戸の旨い魚を食った。キンメやアカハタ(カンパチと同じ魚、それより小さいものを効呼ぶそうだ。出世魚だ)。この釜飯初音(はつね)はお薦めです。釜飯も看板メニューですが、刺身や、写真の鳥のもも焼きも美味。また食べたいな~

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そのお店では、同じく遍路なのか、隣の個室のしゃがれ声おじさんが「近所にスナックないかなぁー」と女将さんに聞くと「若くなくていいですか〜」という会話が面白かった。

しゃがれ声おじさんは迷っていた。「楽しいとこがいいなぁ」。すると女将さんが「ハッピーっていう店はママが楽しいの、若くないけど」と薦めていた。
店を出るとすぐ近くに、そのスナックハッピーはあった。しかし店は閉まっている。大丈夫かな。でも多分、電話したら、その若くない楽しいママが家から来るんだろうな。

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僕はそれよりも、ハッピーの向かいの大阪弁ごっつしゃべる 金ちゃん」という無料?アミューズメントバーの方が気になった。漁師町はミステリースポットが多いなぁ。

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つづく