<1日目の続き>
体力のあるうちに外を散歩。先客に教えてもらった無料のガイドさんを見つけて、案内してもらう。
新勝寺の開山のきっかけは平将門の乱を鎮めるために天皇の密勅で成田山近くで護摩行を行い、乱が静まったのが始まりらしい。その際、空海作の不動明王を奉じて赴いたので、空海ゆかりでもある。空海とは、死後、弘法大師と呼ばれた人物。そう、私がこれから行くお遍路の開祖といわれている(諸説あるが)。お遍路は大師信仰が作らせたものであるから、今回の断食も大師とのゆかりがあるということで、縁を感じた。
帰ってきて昼寝。先客に「昼間に寝すぎたら夜眠れないよ」といわれていたが、私は前日2時間睡眠だったので、致し方なかったのだ。夜も眠れるはず。
14時ごろおきようとしたが、すでに体力が減り始めているのか起きるのが辛い。
やることは、前述のルーチン以外は、読書・散歩・昼寝以外ない。なんと贅沢なことか。ただし、畳の生活は20数年ぶりなため、読書するにも姿勢が落ち着かない。寝ながら読んでいるといつの間にか寝落ちする。ま、それも贅沢な話でなのだが。人様が働いているときに、私は飯を一切食わず居場所も制限されているとは言え、メールも電話もLINEもない世界でのんびりしているのだから、幸せかもしれない。
その後成田山公園を散策。その日は雲ひとつない晴天。西陽も気持ち良い。ベンチに座って読書する。良い一日だ。
読書は仏教関連なので以下を持参
お遍路地図(おへんろ保存会の地図)
四国遍路88ヶ所解説本、他に、
「四国遍路」単行本2冊(辰野和男著の遍路紀行と森正人著の遍路研究本)
斉藤学 仏教 心を軽くする智慧
池上彰と考える、仏教って何ですか?
…などなど。ほぼ読み終えてしまった。
正直、仏教についてまじめに考えたことはなかった、お遍路に行くとなって、般若心経の意味や、仏教の歴史、キリスト教やイスラム教やその他新興仏教と何が違うのかを知りたくなり、これらの本でかなり詳しくなれた。お遍路に行くのが更に楽しみになった。
散策中に外国人カップルに話しかけられて困っている中学生を発見。じっと見ていると、男性のほうが「英語できる?教えてくれ」と言ったので、聞くと、本堂裏の石垣にびっしり並べられたプレートの意味がわからないらしい。「死んだ人の名前か?」と聞くので「いや、それはお寺に300万円ほどの寄付をした会社や個人が名前を彫ってもらっているのだ」といってあげると、「おーなるほど。ぜんぜんしらなかったー!」と喜んでくれた。早速ガイドさんから授かった知識が役に立った。私の英語もなかなか捨てたもんじゃない。(おっちゃんすごいだろう?)と中学生に自慢したかったが、いつの間にか逃げられていた。
つづく